名峰津軽富士、私達昭和40年代世代では

「お岩木山」という名称で親しみのある山

ヒット曲“帰ってこいよ”の歌詞に歌われ初めて知ったものだった。







8月10日仕事は夜半までかかり気づけば11日になっていた。

終業とともに連休キャンプの幕開けだ。

ただ目的地の選定は未だ確定していない。

天気予報はこの一週間台風の影響で目まぐるしく変わり

スタート地点が決められないまま東北道を北に北にアクセルを踏む。

候補地は青森県三箇所、岩手県二箇所

行き先は天気予報次第というある意味気ままなキャンプ旅。







東北道を走る車の台数はかなり多く

岩手の110㎞制限道路も断続的な低速走行となった。

80kmも出せないと、なんだかもったいない気がするが

安全運転安全運転

思いこそすれ、ひとたび前が空けばアクセル全開

速い車について行く。

岩手山付近まで断続的な雨模様は続き

その時点での各地の時間天気を見て行き先は確定した。

本来の予定では八戸道に乗り生イカを仕入れ

薬研キャンプ場スタートという計画は台風のせいでもろくも崩れていた。







こうして辿り着いたのは


岩木青少年スポーツセンターキャンプ場


名峰津軽富士を眼前に見る極上芝の営地

設営時は完全なる雨天ミストサウナの様な

ずぶ濡れる霧雨は強く止む気配はない。

サンダルびしょ濡れの久々の雨設営を決行した。

今回デビューとなるFIELDOOR TARP



屋根の大きさは頼もしく助けられた。







設営完了30分後には雨は降ったり止んだりの状態となり曇空に

もうちょいゆっくりでもよかったか…

「やっと予報が当たったな」

この頃にはアテにならない予報に

うんざりだった事も忘れ青空を待つ







軽い仮眠を取りたいところだが初めての営地。

高ぶった神経はなかなか落ち着かない

湿度は変わらないが気温は心地よい。







やがて空が明るくなってきた。

一面ゴルフ場の様な極上の芝







しかもこの芝の密度が素晴らしいの一言。







諸所に生える白樺は純白で若木であることを教えてくれる。

岩木山なしでも文句のつけようのない素晴らしい営地だ。







そんなやり取りを妻としているうちに

薄っすらとシルエットが見えてきた。







「おおおおおおおお」

「もうちょいもうちょい」







もしこのまま山頂の雲が残ったなら…

そんな気持ちもあってこの瞬間から

目が離せないでいるのだった。







西の空は突き抜ける様な青空







雲は思った通り山頂に残ってしまったが

美しい稜線が姿を現しただけでテンションは上がる







山頂が見えた！

稜線が曇った！







そんな繰り返しの小一時間

何だ？この楽しさ？







そんな事を考えているうちにコトンと

寝てしまっていた。


ら…


その時はやってきた。








「き き き キターーーー！！岩木山全景！！」








抜ける様な青空
オフホワイトの夏雲
そして標高1625M津軽富士







この瞬間が5泊6日キャンプ旅の

事実上のスタート地点だった。

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