焚き火をとことん楽しみ

心も体も癒されるキャンプ

このキャンプはこれまで何度となく

繰り返してきた冬のオープンタープ焚火を

ここ数年で最も満喫できたキャンプだった。

「いやぁホント楽しいキャンプだった！」







と言っても、晴れ予報の連休前夜は

出撃には暗雲が漂っていた。

そもそも行く先が確定しないのと

仲間からのお誘いのあった

高規格キャンプ場は予約で一杯という始末

こりゃぁ参った。







世の中は三連休、我が家はと言えば…

スタッドレスタイヤの手配が出来ておらず

標高のある場所は避けなければならない状況にあり

妻の体調もすぐれない。

そんな状況で迎えたのが勤労感謝の日。

前日には等圧線の感覚の狭い低気圧が列島を闊歩し

北東の海へ抜けた絶好のタイミングだと言うのに

テンションの上がらないまま

妻がここにしようと決めた営地を目指す。

そこは温泉が併設されているわけでもなく

大自然の素晴らしいロケーションが

サイトから一望…そんな場所ではない事は

下調べで大体理解していたからだ。







ところが…初めての営地

チェックイン時に管理人さんに色々と

説明を受けると


「このキャンプは勝てる」


そんな確信のようなものを感じた。

無論「勝てる＝楽しめる」という事である。







設営を終え妻の大好きな

とれたてホップで乾杯を

遠くに山並みが霞んで見えるものの

トイレと炊事場に近いサイトを選んだお陰で

管理棟が目の前にバーーーーン 笑

そうであってもコレで良かった。

なぜなら…







サイト目の前には薪棚があり

540円で好きに使っていいという事だった。

そりゃぁ勝ったも同然

そんな気分になるってもんだ。







数年前にも、ついお盆のキャンプでも

薪が無料で使い放題なんてキャンプはしたけれど

今回キャンプは気分が違う







そもそもタープ下でとことん焚火で暖まることを

目的とした厳冬期キャンプの前哨戦のような

そんな位置付けコンセプトだった。

そう言われてみると、この時期に

薪を躊躇いなく使えるキャンプは初めてである。

当然、自宅から大量の固薪を持参していたのだが

それらのバックアップがこれだけあると思っただけで

テンションは上がる一方だった。







早速焚き火に着火し次のお楽しみを

ドヤ顔で目の前に並べてみた。







妻は近所のスーパーで購入した

豚のカシラ(こめかみ)に火を入れている。







私はグラスを二つ用意して

持参した二本のシングルモルトの

飲み比べを…



「コレが楽しみだったんだよ〜」

例えばバーなんかに行っても

こうやって二種類のモルトを並べて

比べ飲むなんて事はなかなかしないもので

普通は一つを飲んで飲み終わったら次のを飲む

そんな飲み方になってしまうもの

12年と15年の違いなんて私の舌では分からないから

こうやって並べて楽しみたかったわけだ。







世界で一番最初にシングルモルトとして発売され

初心者向けとも揶揄される飲みやすさが特徴の

フィディックは私の原点のシングルモルトウィスキー

15年のソレラリザーブはシェリー樽熟成に用いられる

ソレラシステムを応用して作られているとか。

バーボン、ホワイトオーク、シェリーそれぞれ

3種の樽で熟成したモルトウイスキーを

ソレラバット（大桶）で約半年の間、後熟

使用しているソレラバットは、1998年から

1度も空にしたことがなく常に半分は

ウイスキーが入っている状態が保たれているんだそうだ。

私の頭の理解では老舗鰻屋の継ぎ足しのタレ…

あの原理か？笑







焚き火には桜の丸太を贅沢に焚べ

スキレットではチーズが焼かれ

黒胡椒がその上に振られた。







夕刻が差し迫り







この地、最後のモミジが赤らみを見せた。







毎年、同じことを場所を変え幕を変え

ウィスキーを変えやっているのだけれど







何なんだろう？

この恐ろしいほどの充実感

気付けば外気温は1℃だというのに

微塵も寒さは感じない…




妻に言うと

「アルコール度数40℃のそれ飲んでるからでしょ！」

とピシャリ







これだからキャンプはやめられない





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