暖かそうに愛猫こむぎが丸くなる。

「あぁこの姿が見たかったんだよなぁ」

この瞬間、かなりキツい設営で

消耗しきった身体の疲れが

スーーーーーーっと抜け

これより始まる年越しキャンプを

大いに楽しもうという気概が生まれた。







そもそも今季の年越しキャンプは

猫連れである事がかなりの障壁となっていて

場所の選定に四苦八苦する所から始まった。

我が家が年越しのキャンプ場に

必須としている条件はいくつかあって


先ずは

1)電源サイトである事

年間のキャンプで年越しキャンプだけは

別格の位置付けであり年越しに

ひもじく寒い思いは絶対にしないという

前提条件


2)風による影響を緩和できそうなサイト

年越しキャンプでは冬の北西の風の餌食に

なってしまうキャンパーを何度も

目にしており破綻のない場所を選びたい







3)降雪可能性

これまで培ってきたノウハウを存分に生かし

年越しは雪のある景色の中で過ごしたい


4)ペット入場可能

もはや家族の一員であるキャンプ猫こむぎ

あっての年越し、異論を挟む余地はない。


5)徒歩圏内の温泉施設

冷え切った身体をいつでも暖められる

温泉に車を使わずに行けるならば

キャンプ中のスケジューリングの

自由度が格段に上がる。



以上の条件からこれまで何年も年越しを

してきた福島県フォレストパークあだたらは

ペット入場不可で消え夏を終えた頃から

年越しの場所を探し続ける羽目となっていた







そのような状況下

数箇所の候補地が上がっては消え

上がっては消えを繰り返し

今年は雪を求め極寒の地を選ぶ事となる。

2011年8月グランドオープン

『キャンプグランドベアーベル』

岩手北上夏油高原ふもとに位置する豪雪地帯







到着は昼過ぎでこの日は気温が比較的高く

天候は雪中キャンプの設営においては

不幸にも最悪と呼べる雨だった。







先客の撤収を管理人の日角オーナーと

雑談しながら待っていると

15分ほどでチェックイン可能となり

設営を開始する。

予約の際、何の幕で来るかを問われるのだが

どうやらその幕の大きさに合わせて

雪をくり抜くように除雪を行なってくれる

そんなシステムのよう。







実はこのサービスがこの地を選ぶ

最大のポイントでもあった。

くり抜くような除雪…

つまり雪の壁に囲まれるため

風対策になると考えたわけだ。

前日までの積雪により

50〜60cmの雪の壁があるサイト

これはある意味理想と言える状態で

テントボトムをあおる風は確実に緩和される。



BAHARIを広げるとサイズはテントピッタリ

だっただけに、ペグ位置分の両翼50cmの

雪かきが必要となったがこのくらいならば

許容範囲に思えたものの…その考えは甘かった汗

固く重い凍った雪に阻まれ雪かきは難航

テントが立ち上がるまで通常の三倍の時間を要す事となった。







BAHARIの中には初めて

薪ストーブをインストール



テント内に床作る際、ストーブ位置だけは

地面が出るまで氷を砕き平面を作った。

後々ストーブ熱で沈み込んだり

傾いたりを防ぐ目的だ。

長期と呼べる連泊の場合

変化の予測と言うものをしておかないと

雪中キャンプでは厄介な事になる。







昨年、エンゼルフォレストの連泊の時は

この変化読みきれずボトムの浸水に

悩まされたもの。

同じ轍を踏まないためにも時間をかける所には

キッチリ入念な準備を仕込む

ストーブ位置にはスパッタシートを敷き

溢れたり爆ぜたりする熾火対策を…







火が入り

そしてまわる、、しかーーし！

ストーブが熱を持つまでならばともかく

熱を持ってからも結構悪戦苦闘で

ストーブ前から離れられなくなってしまう。







バッフル装着によりドラフトが弱くなったのか？

それとも薪が悪いのか？

きっと誰のせいでもなく私の腕の悪さ

という事で落ち着いた泣



私が悪戦苦闘する間

妻はお正月飾りをしつらえていた。







ストーブの熱がBAHARIを覆うと

キャンプ猫こむぎはこの表情







そもそも、こむぎのために

例年よりもさらに暖かい正月にする

そんな決意の下

薪ストーブのインストールとなった。

こんなに悪戦苦闘する事は想定外だったけれど…







正面に居座るこむぎを見て

とにかく正解だったと胸を撫で下ろす。

外で過ごさない初めての年越し

様々な不安があったけれど

設営日に関してはとにかく準備が多く

逆に外に出る余裕がそもそもなかった。







この日は初日という事で

自宅で仕込んだローストビーフを







ちょっと良い食材に対抗する

酒担当の私が妻に振る舞うのはジンバック

ウィルキンソンの辛口を使うのが妻好み







ベースはここ数年、各社一斉にリリースした

プレミアムジン



中でも元祖と名打つシップスミスVJOP

通常の5倍のジュニパーベリーがガツンの

超本格派







ちょこちょこと場所を変えるこむぎ

席を立つとこむぎに椅子を奪われてしまう。







それでもほどなくして

再び薪ストーブの前でとろけてゆく







そんなこむぎを眺めながら



ウィービースティーを転がす時間







こむぎと薪ストーブの炎

これは最高のオツマミだった。







風雪は止まず不安な夜だったけれど

BAHARIは相変わらず盤石







雨は設営中に雪へと変わり

その後、しんしんと振り続けた。

予報ではドカンと寒気が居座る年越しになる

山間の予報は余り当てにならないけれど

良い方向に向く事はないだろうなぁ

そんな暗雲を想像しながら

床に着いたのをおぼえている。



薪ストーブの予熱で初日は眠りについた。



明けた朝は凍りつく朝







幕の中から見た窓には無数の氷柱が…







温度はー6℃ほど

思ったよりも気温は低くない。

雪があるせいかも知れない。







夜中風に飛ばされてきた雪が







テント周辺に降り積もっていた。







「今日は買い物に行こうね』

妻の宣言に心なく頷くだけだった。







何せ…雪かきをしないと既に車も

出せない状態だったから。


それがキャンプ





にほんブログ村
皆様励ましに心から感謝しております！