“酒は人類の最大の敵かも知れない”





“だが聖書はこう言っている”





“「汝の敵を愛せよ」と”





20世紀を代表するシンガーでありアクターだった

かの有名なフランクシナトラはそう言った。





そんな逸話を思い出し今宵の深酒の動機付けが完了だ。

酒呑みは何かにつけて飲む理由と

それを正当化するこじつけを考え出す。





TRIPLE DISTILLED ＝ 三回蒸留はアイリッシュウィスキー

JAMESONの特徴的製法らしい。

それを物語る味わいはくどくなくスッキリまろやか

何杯でも飲めそうだがアイラモルトの様な常習性はない。





夜の帳が下り、腹も落ち着き一人マッタリと寛ぐ時間に

満足感が込み上げるもののもう少し食べ足りない気分だった。





どーれこの一杯を飲みながら取り掛かるか





と言っても大した事は出来ないし

準備もない

ジャガイモを厚くスライスして





塩胡椒で強めの下味を付けたらスキレットで火にかけ





再び取り出だしたる加工肉、コンビーフ

私にとっては子供の頃こいつの回し方を失敗して開かなくなり

親に叱られたトラウマ食材、いい歳になってどうやって失敗したのか

その度、検証するのだが思い出せないでいる。

失敗する事はなくなった今この缶詰を開栓するたび

毎回嬉しさが込み上げるという陽性のトラウマ。





ジャガイモと同様の厚さに切ったコイツを

スキレットにドカッと入れ





コンビーフの脂が溶けた頃、ウィスキーを20mlほど流し込み

香り付けにアイラモルトも5ml程度入れ蒸し焼いたら。

ジャガイモとコンビーフのウィスキー蒸しの完成だ。





アイラモルトの独特の芳香がクセになる今夜の二品目

ウィスキーベースなだけに合わないわけはなく

ウィスキー好きのウィスキーによるウィスキーのための

ソロキャンプオツマミ





2ターン目は味を変えコイツが主役

前回の不動尊公園キャンプで余ったやっすいカレー粉

パンチの効いたスパイシーな香りを楽しんだ。





たいした食事でもないのに美味かったりすると

途端にテンションが上がる。

電波の関係で妻とは交信が途絶えている事もいつしか忘れてしまった。





対岸の奥にある管理棟に明かりがついてるせいで

この営地の孤独感はほとんどゼロ

久々のソロキャンプで味わう一人酒がとにかく美味かった。





こうしてソロキャンプの夜は更けていく。

体力のあった若い頃、夜が楽しく寝たくなかったり

家に帰りたくなかったりしたものだが…

ソロキャンプの夜は眠くなったならＴＨＥ ＥＮＤ





ただ一人の楽しい夜眠くなるために必要なのは

炭水化物





アルコールで麻痺した満腹中枢に

トドメのどん兵衛は食後15分ほどで睡魔を届けてくれた 笑

朝までグッスリなソロキャンプで悟った事


「出来ること」が増えるより
「楽しめること」が増えるのが

いいキャンプ




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