ビンテージテントを愛用していると、思わぬ事態に遭遇する事が往々にしてある。





つい先月のこのキャンプの夜、その思わぬ事態に遭遇していた。

テント出入り口のジッパーが壊れたのである。

この部分は以前にも一度壊れており、補修メンテナンスをしていた箇所。

就寝直前にジッパーが閉まらなくなり、その晩はアルパカが幕に対してオーバースペック

だったのもあって、完全に閉まらずともそのまま簡単な応急処置後無事就寝とした。



そんな事もあるのはビンテージテントではデフォルトだ。

ただ、CABANONを張りたい…その一心で今回も補修をしてからの出発だった。











…とはいえ用心のため、持ち歩いていた裁縫セットが今回の雨牛で役に立つとは

この時は知る由もなかった。











到着は2時を回ったあたりだったが…

牛忘と呼ばれる忘年会は終了しており、ひと気は少なかったが、

設営中に現れたのは

じょんじょろべぇ〜さんとtomoさん

会えそうでなかなか会えない顔ぶれに嬉しくなり多少引き止めてしまったが

挨拶をして上々のキャンプスタートの合図となる狼煙をあげた。











二本の太薪を平行に並べその間に熾きを作る。

このところの焚き火のやり方だ。

焚き火の着火完了と共に、バイアラジンをプレヒート。

このひと時が、キャンプの夜の高揚感を良きものにする毎度の儀式。











12月の雨はシトシトと静かに降ったりやんだりを繰り返す。

無風の夜が訪れた。











先客は皆、撤収し、私たち夫婦を除くと、二組の新たな幕がその頃にはサイトに並び

12月だと言うのに大盛況だった昨夜とは一転、静寂の夜が訪れる。











雨雲が低く空を覆っているので、きっと冷え込みはないだろうと予想したのだが…

万が一の冷え込みを考え、オープンタープを一段下げて焚き火タープ下の

気温低下を防ごうとリビング側のポールを一本短くし、ガイロープをかけるため

グイッと引き寄せた瞬間の出来事だった！












ビリッ！！





布が引き裂かれる音が、静寂の牛野ダムにコダマしたのだった。

ビリッ！ ビリッ！ ビリッ！ ビリッ！













あ〜あぁ！！マジかよオイ！！



虚しくアラレもない声を上げる私。



どうする？どうしたらいい？



慌てふためく夫婦は唖然。

大地に感謝の祈りを捧げなかったバチが当たったと思い、夫婦共々テンションガタ落ちの

長い長い2分間が過ぎ去った。


…………………………



先に、この先をどうするか？建設的な思考を取り戻したのは妻の方だった。

こういう時の女は度胸が座っているものだ。











持ってきてたじゃん！アレ！


すぐさま妻はテキパキと針と糸を道具入れから取り出し

避けたタープの補修に取り掛かる。

応急的だが、風がなければ何とかなるはずだから！











頼もしいなぁ 妻 笑











こんな大事件はなるべくしてなるものだ。

災い転じて福となすのが、劇団家

何もなければ、普通の美味しいものを食べて楽しかったで終わるキャンプだが…











こんな事件の後だから、余計に美味いもんは美味くなり











美味しい酒は、また美味くなり笑いが込み上げる。




それがキャンプ




夫婦二人キャンプは、これだからやめられない。






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