東北仙台にもやっと桜の季節が訪れ各地で花見行楽を楽しむ人々が渋滞に巻き込まれた週末…劇団家は花見キャンプを満喫した。


焚火を囲んでも凍えた雪中キャンプの頃から、花見を何より楽しみにしていた夫婦にとっては、待ちに待ったプレジャーキャンプだったように思う。


そもそも年が明けて間もない一月頃から…

「桜が咲いたらどこにキャンプ行こうか？」

などという会話を繰り返すこと数十回。

当然、数か月も前から、〇〇に行こうなどという建設的な行動計画を立てる二人ではなかったが、候補地だけは絞られており、後はタイミングをまつばかり。







毎度の事だが、劇団家は、キャンプ毎に何を楽しむか？

という目的には満たないが、ふわっとしたテーマを決めている。







今回は『花見』というのが最大のテーマであったが、裏の目的として…


『雨中焚き火を大いに楽しむ』 という目的を持っていた。


そりゃそうだ…TATONKA張って雨だからと焚火を遠慮なんて事態はあり得ない。


先ずはソコを押さえて…からの花見が私達には正しい選択。


そんな訳で、雨の金曜夕方の出撃となった。




構図：るみぞうさんより拝借です


仕事をある程度片付けてからの現地到着…時折小雨がパラつき肩がコリそうな重苦しい空模様だが…

どうやら、目的があると、感じ方は全く異なり、雨が降ることに一切のストレスはなかった。

むしろ、夫婦の中には雨を楽しむような…そんな空気が流れていた。

ロケーション的には雨だろうが晴れだろうが素晴らしく…サイト前にはバンガローエリアと
キャンプサイトエリアを分けるかのように施された小川が静かに流れる。
サイト裏手(我々から見て)奥には、山道を走るトラックの音を遮るかの如く
川の本流が、せせらぎを鳴らし、よく整備されている割には、野性味もうっすら感じられる。
このバランスは絶妙とまではいかないが、居心地のいいサイトには違いない。






雨降りとなると水を含んだタープは重くなり、現地は砂地。

水はけはすこぶる良いが、ペグが効かない状態に苦戦。

前回の牛ではマサカの自在が緩むという軽いアクシデントがあったが

今回はぬかるみに緩んだ地盤が設営時間を長くした。






約束していたわけではないが、雨キャンを楽しむ部分に共鳴した

杜の手羽先 氏とナチュラルに合流、互いに雨中焚き火を楽しむ段取りに…
（設営ヘルプに感謝です）






落ちつくやいなや、早速焚き火を盛り上げる料理の準備だ。

そもそも天才的な味覚の持ち主で、家庭料理の達人だった彼女は…

このところ、日夜ソトメシの研究者かと見まがう程の情報処理に余念がない。

今夜の飯も大いなる期待を背負っていた。







どちらかというと、焚き付け用の薪だったため、少しくべても大きく炎があがってしまう。






夕闇は刻一刻と深くなり…





焚き火料理も完成　待ちに待った宴席の始まりだ。





お手軽おつまみも…






小川のせせらぎと雨音が耳に心地よく、時折り軽くはぜる焚き火の音と混ざり合う。

太古の昔、火の扱いを覚えた人類もきっと、こんな音と湿度と熱を味わったに違いない。

あまりの雰囲気の良さに、だんだんとテンションは上がっていく。


今夜は貸切りなのをいい事に…あんなことやこんなことを

楽しんだ三人は…

気付いた時には致死量を超える

アルコール量を身体に蓄えていた





シシャモのクルクルは盛り上がった。

妻が、リンクの猛厚さんより教わったらしい。

ししゃもの油は意外に臭うが、こういう事が笑顔を増幅する。





食べた後に気が付いた。


ししゃもデッケー！！

うめー！！と騒ぎながら食ったのだが


このししゃも…


子持ちじゃなかったな…



夜が明けるまで…オスのししゃもを最高品質だと三人共錯覚していた。







タープ下の焚火は、サイトを非常にあたため

木の香りもよく、最高の夜をくれた。

雨はシトシトと夕方から静かに降り続けたけれど…

タープの下で、焚き火が出来る…ただコレだけの事が

素晴らしいアクティビティなのだとあらためて知る。



気心の知れた仲間と焚き火とコットンが

掛値なくキャンプを楽しくさせるわけだ。








翌朝…


雨音は変わらず







妻が煎れてくれた桜茶が、よりいっそう雰囲気を上げてくれた。


第二話 へつづく
第三話 へ飛ぶ


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