からのつづき







このところ煤ですっかりくもっていた

ハリケーンランタンのグラスチムニーを磨いた。







サイトが山の陰に入った頃には

日帰り客もいなくなり貸切りタイムのスタートだ。







今夜は様々な熱源を駆使してチャレンジする

我が家のキャンプ始まって以来、初となるカレー

これまでキャンプと言えばカレーという固定概念が

あえてこの献立を遠ざけて来た。

何しろカレーは普段メシ、非日常感を味わうには程遠い

だとしたら手間暇かけて作るスープカレーなら…

イケるかもしれない！







スーパームーン前日の月明かりは

眩しいくらいにサイトを照らしていた。

川面から吹く風が心地よいものの確実に体温を奪うので

焚火のそばに陣取ることにした。







夫婦二人の共同作業が始まる。

私のパートは焼き係、骨付きの鶏モモにカレースパイスと

ローズマリーを塗り込んだ。







妻は野菜の煮込み、揚げ、そしてカレースープ係

煮込みは火力の安定の必要のない焚火を使い

揚げものは火力の安定を考えシングルバーナーで行う。







一方、私はと言えば風がそこそこ強かったのもあり

U字溝の一つを風除けと考え、そこに炙り用コンロをインストール

骨付きの鶏モモを丸ごとカリカリに焼き上げる。







スープ用鍋の野菜を炒めたらここに水を入れ

スープ作り、ガラスープをベースにカレー粉で

とことんスパイシーに仕上げよう







煮込んでいるうちに他の野菜が綺麗に揚がった。







骨付きの鶏モモは火力が強過ぎて一本目を焦がしてしまったが

二本目はジックリと皮パリに仕上がった。

塗り込んだカレー粉が香ばしい芳香をサイト全体に放つ

早くスープにドボンで頬張りたいのだが…

まだ私のパートは終わっていない。







出来上がったスープに鷹の爪を放り込む

本当はピッキーヌやハバネロの生を入れたいところだが

手に入らなかったので乾燥鷹の爪で代用とした。

激辛大好き亭主の妻として一番重要な任務







鶏モモが仕上がったら今度はナンをパリッと炙り焼く

米の仕込みには鍋が二つ必要になるのでここは

市販のナンで食べる事にした。

普段から酒をメインにしていると夜の飯炊きは

むしろ邪魔になるもの。







かくしてスープカレーの完成だ。







ナンをスープに浸して食べる。

鼻を抜けるスパイス、美味い

その後、口腔内は激痛に見舞われた。


辛い！








骨付きの鶏モモは焦がした一本目は火が通っていなかった。







こんなシチュエーションのリカバリー

アルミホイルに包み遠火で焚火に載せるだけ

蒸されてシットリ仕上がってくれるだろう。







耳に届く清流の音を聴きながら

ビールやウィスキーで食すスープカレー

普通のカレーより面倒は多いがもっと早くやってれば

良かったと思った。

鶏モモ肉をナイフでこそぎ落としスープに浸し恐る恐る頬張る

美味さと辛さで涙と汗が止め処ない。







二杯目のウィスキーを注いだところで

CABANONに入り二次会とした。

汗をカキカキ食べ終えた身体の火照りが引くに従い

川から吹き上げる風がとにかく強く寒かったから。

水面で冷やされたこの風が

美しい紅葉に貢献している事は想像に難くない。







アルミホイルで蒸し焼いた問題の一本目をナイフで頬張ると

激ウマに仕上がっていた。







ラストはスープカレーの成功を祝して

ロングカクテルで乾杯だ。







妻はジントニック

私はジンリッキーがこのところの定番

姿形が同じなので妻のジントニックには

極細ポッキーのマドラー付きに







普通のカレーは米が欲しくなるのでツマミにならないが

スープカレーなら彩の良い野菜も肉もツマミになり

洋酒とのマッチングも抜群だった。

無論、当キャンプの食卓はとても華やかなものに感じた。

いつも妻に任せっぱなしのキャンプ飯

得意な分野で分業化するだけで複雑な食事を楽しめたのも今回の収穫だ。







と思ったら…食べる方も分業化

鷹の爪は私の方だけに仕込まれていた。

明朝のアスタリスクが心配だ…汗


それがキャンプ


そうそう不動尊公園のトイレはコット寝したくなるほど

ウルトラ綺麗だから問題なし 笑





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