午前4時半、予定通りiPadのアラームがけたたましく鳴った。

隣の妻は、眠そうだが…薄眼を開けてこう言った。

「今起きないと次に目覚めるのは午後だと思う」

私は、こう返した。

「俺もそう思う5秒で飛び起きるから」

寝不足からか、後頭部が重い上、昨日の激務で身体は休息を欲していた。

あらゆる関節、筋肉バッキバキ、もう若くはない自分の肉体がうらめしい

それでも … 3秒後の思考はこうなった。


夫婦二人の休息…起きるしかないな

それがキャンプ











強烈な朝日を浴びながら、前夜の打ち合わせ通り辿り着いたのは


猪苗代 船津浜キャンプ場


対岸となる天神浜では、翌週 GO OUT というイベントでごった返す事になる。

我が家では妻がこれに参加したがったが、ごめん俺無理と断った。

野良化した夫婦にはひと気のない営地でゆっくりまったりがお似合いだ。











澄み渡る水と澄み切った空

水辺を真正面に眺める位置に赤いカーミットチェアを置き腰をかけると

目に飛び込んで来る景色の雄大さは心を解放し

身体にたまった疲労物質を分解していくかのような感覚があった。










燦々と降り注ぐ光、焼ける砂浜

午前7時の到着、人影はまばら

気温はどんどん上昇しているが、吹く風は乾いていて爽快だった。


今の今までどうしてこの地を選ばずに来たのだろう

まるでそれは、これまでのキャンプを否定するような思考だが…

決してそうではなく、それほどプラスのインパクトを感じたという意味だ。











１時間ほどの仮眠を取り、買い出しに出掛けた。

今回キャンプの献立が決まらず、装備は最小限、となると

焼き物は出来ないな…網を仕入れよう

そうすれば焚火で色々出来るだろう

そんなこんなで決して無駄ではないが…必要な物資の数々を調達し

サイトに戻ると、あんなに晴れていた空に雲がかかり出した。

上がり続けた気温もここで高止まり、過ごしやすくなりそうだ。











会津といえば馬刺し 高いに見合った満足を得た。













inフリーの営地なら朝一で入れば時間感覚が無限に感じられる。

そんな無限に有り余るかのような午後の時間をアレをしたりこれをしたりで過ごし











量産されるツマミを次々と胃の中におさめ、夕刻を迎えた。











岸辺には肩を寄せ合うご家族連れや、カップルが湖を眺めている。

そんな彼等も私の目には素敵なロケーションの一部として同化しているように見えた。












美しく磨き上げたランタンに火を灯し











雲間から覗く夕日は時折湖面を輝かせたが

その後、夕焼けに燃えるような空にはならなかった。

明日の予報は雨、雨撤収なんて気にしない。

一瞬の感動、一時のリラックスがあればプラマイプラだ。











日の入りまで何かと騒がしかった地元客は次々といなくなり

貸し切りの夜が訪れた。











もうこの頃には、相当量のアルコールがまわり

いつでも寝れる状態。

明日朝の撤収は雨が落ちる前に済ませられそうだ。











とびきりペースの早かった妻は早々に離脱


















輝くランタンをひと時眺めドライベルモットに飽きが来た頃

ようやく私もシュラフに入る決心を固めた。











満足感の高いキャンプをするとなかなかシュラフに入る気にならないもの

それはまるで、楽しかった1日が終わってしまう事に駄々をこねる子供のよう。











風の音を聞きながら眠りについた。

………

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パーンッ
パパパパンパパパパパン



ん！なに今の？




朝4時、爆竹と花火の音で起こされた


恐らく地元の若者達だろう。

聞いてはいたが無料の猪苗代の営地じゃこんなリスクはつきものって事か。


ただ、このタイミングで起きてしまえば

雨撤収は間違いなく免れられそうだ











というわけで朝日の上がらない

早朝の撤収で、雨は回避出来た。

とどのつまり雨撤収じゃなければ

プラプラプラのパーフェクトだから笑






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