天気予報では風の予報がかんばしくなく、週末はギリギリまで出撃判断が下せなかった。

そうは言っても、いつものように新年が明けて仕事も始まり、夫婦同じ職場の私達は新年早々同様のストレスに苛まれ、そのストレスを逃すチャンスを伺いっぱなしだった。

二人のストレスに最大効果の処方箋…それがキャンプ。

通年キャンプ場の少ない宮城県ではこの時期出撃出来るフィールドは限られている。行く先も決めぬまま二人は処方箋を頂くためにいつもの荷物を積み始めた。









近場で電源の選べるサイトはない、さて何処に足を運ぶか…。
あらかじめの決め事が毎回二人にはある。

今回は…
お座敷スタイルで行くこと
寒さを最大限回避したリビング作り
焚火は寒いのでサクッと
10分以内の距離に温泉
風への対策

行く先は依然決まらないが、必要条件を満たすため、各種の買出しをした。
焚きつけの楽そうな薪
イワタニガスストーブ
カセットガス数本
食料



本来であれば、寒さ回避のため、ガスストーブ式コタツをあつらえる予定でいたが、安全性と天板のアイデアがうまくまとまらず、いつもと変わらず…プラス足元のみストーブでサンドというレイアウトになった。

フィールドは平筒沼ふれあい公園キャンプ場。

到着は、買出しを楽しみ過ぎたのと、強風によりフィールド選びに難航したため16時を回っていた。



先客は三組、駐車場から遠いが、奥の東屋を選んだ。キャリーを準備しなかったお陰で、設営は重労働となり、見兼ねたお隣のキャンパーさんが手伝いをして下さった。この時期、幕を張る人たちはベテランだらけ。マナーは賞賛に値する。夏場と違って人が原因で不快な思いをする事がないのはありがたいことだ。

このような最初に出会うキャンパーさんとの接点からこの先の日程を占う…間違いなく二日間を明るくしてくれるホットなスタートにちがいない。

いいキャンプになりそうだ。



幸先は良かったものの、設営を頑張りすぎた妻はいつもより多少オーバーワーク。夕飯は手をかけないで済むメニューを選択したが、疲れた身体に酒を流し込みやすい極上のアテが出てきた。国内のあらゆる加工肉メーカーへOEM供給する大崎市古川ミート謹製、生ソーセージが旨い。



出来あいの揚げ物が、ダッジの中で、出来立てよりも美味くなる。



しっぽりと夜は更けていくかと思ったが、そうでもなかった。



今年は白鳥など渡り鳥が例年になくこの沼に集結していると地元の方から聞いていた。ここ数十年で、今季が最も飛来数をカウントしたのだそうだ。



果たして何羽いるのだろう。

白鳥 鴨 雁

夜通し、周波数の高い白鳥と、鴨の低音が響き続けた。
夜のとばりは、彼らの声をすぐ耳元で響かせる。
疲れていたはずなのに、鳴き声は耳から離れず浅い眠りのまま、目が覚めた。




日の出まで、約一時間。



白鳥達と共にご来光を待つ。







朝ランタンの有り難みを知る。





待ちわびた温度をともなって、日が顔を出した。






吹けば飛ぶ軽い雪質。
スカートの部分だけ、うっすらと雪化粧していた。





そして…



快晴の一日が始まった。



夜中あれほど騒がしかった彼らも、日の出を喜んでいる。

このキャンプは楽しくなるな。


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つづく