ギックリ腰を患い、つらいつらい１週間が終わった。

腰をかばいながらの仕事、食事、入浴、クシャミ、あくび、就寝

生きるにおける全ての行動にハンディキャップが付きまとい

フェルビナクとロキソニンと坐剤の三本柱は未だ手放す予定はない。

何より辛かったのは、仕事上、仲間に迷惑をかけてしまった事。

そんなわけで復帰キャンプとなる今週は

私のお陰で迷惑を被った後輩を連れての接待キャンプ







大人になって初めてのキャンプだというので

道具の全ては我が家が準備貸出を行い

できる事以外は任せとけという初心者にとっては

恐らくこの上ない好条件







気温のピークは35℃

私にとっては初となる、マイテントのみで行うグルキャンだ。

ビッグアグネスとメガホーンIIという我が家にとって二大雨幕の設営

梅雨の晴れ間をピンポイントでつかみ

翌朝は雨撤収確実なコンディション

TATONKA1TCの広大なリビングはプライベート重視の片流し

秋には見事な紅葉を楽しませてくれた広葉樹が生い茂る

黄緑色の山を眼前にひと汗かいた。







舞台は不動尊公園キャンプ場

これまで閑散期にしか訪れたことがなく今回初となる

この営地での夏キャンプ

デイキャンプと川水浴客で賑わっていた。

清らかな川のせせらぎ、川面を撫でるように吹く風

川で泳ぐ子供達の笑い声、岩から飛び込むドッポん！という音

全てが湿度を伴う梅雨の晴れ間の鬱陶しさを和らげる。









前回、前々回と訪れた時には昨年の鉄砲水で破壊された

川沿いの遊歩道の工事が行われていたのだが







第一サイトより川に降りて行くと







コンクリートで綺麗に舗装修復がなされていた。







見上げれば、我が家の今回のサイト







さらに進むと不動尊公園のシンボルでもあるあの木造の橋







綺麗にワインディングした遊歩道は以前の穴だらけだった

天然木の板張りとは違いちょっとやそっとの大雨でも

きっとビクともしないのだろう。







ただ、あの木造の橋との調和はなくなり

絶妙だった人の手の入り方ではなくなったように感じたのだが

耐久性と安全面を考えれば、これは致し方ない

次回ここを訪れる頃には未だ重機の残る第二サイト周辺も

きっと完成していることだろう。







川とサイトを分けている背の高い広葉樹たち

灰色がかった木肌も美しく

生命力に満ち溢れ生い茂る葉と共に、自然を満喫させてくれている。







男ゴコロをくすぐる事で、キャンプに興味が湧くかもしれないと

全くの初心者相手にバトニングの実演を行い

マグネシウムで焚き火に着火させたところで

きっとこんなアクトの価値など伝わろう筈はなかったが

いわゆる一つの「それがキャンプ」の実践は

素人目にも心が動いたようだった。

考えてみれば…







職場で散々、キャンプの楽しさ良さを熱弁され

興味をかきたてられて彼はここに居る。

我が家にとっては毎週繰り返される普通のキャンプは

初めての彼の目には全てが新鮮な

驚きを持って迎えられ消化される。

そりゃぁもう楽しくて仕方ないことだろうが

これでは本当の喜びが全く違うところにある事に

彼は一生気づけない。







お膳立てがなされ次々に繰り出されるキャンプ技を

見る事よりも、何も持たない状態から試行錯誤を繰り返し

何かにつけ、目標を見つけスタイルを発見しては

それを試し、失敗し、また試してモノにする。

それまで考えもしなかったことができるようになっている。

自らそれを構築して行くプロセスに心が震えるアレ。

つまり、本当のキャンプの喜びは

「自分自身の成長」にこそある。







そういう意味で、我が家の新しい道具のデビューも

そんな成長の一環であり

上品すぎるピカピカの真鍮のランタンに合わせるウィスキーに

バランス破綻のないウシュクベーリザーブを選ぶ辺りに








私自身は「自らの成長」を感じているわけである。

ランタンのデビューにそれに合うだろうウィスキーを

コーディネートし、これで正解と頷くこれぞ心酔ではなかろうか。

そんな発想はかつてなかったこと。







彼にとっても私にとっても本当のキャンプの楽しさ醍醐味はこれからだ。





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