全国的にも自粛解除となり近隣のキャンプ場も
いよいよ本格始動となった令和二年。
例年よりも早かった春はその姿を人々に見られることもなく過ぎ去り
フィールドは夏色へ空は紺碧に変わり純白の雲が
遠く山の稜線に浮かんでいるのが見て取れる
気付けばそんな季節になっていた。
コロナ禍における自粛は
何もできないストレスに苛まれる毎日でもあり
ある意味良きリフレッシュでもあった。
なるべくならばストレスは溜めない方が
日々の生活は平穏無事というものだが
全くのストレスフリーの生活というのは
実はそれそのものがストレスに感じることもある。
実は人生にはストレスは付きもので
体調や精神に甚大な影響を
与えるほどのものじゃなければ…
つまり軽度のストレスであればそれはむしろあった方が
張り合いにも潤いにも繋がると思っている。
キャンパーである私達はそれを野に持ち帰り癒し
一つの壁を乗り越えた自分を褒め称え噛み締めるのが
ここ数年のルーティンとなった。
働きもせず遊び暮らす事に人は飽きてしまうものだと思う。
例えば外国の素敵なリゾート地に
時間も経費も心配ない状態で自由に遊べと言われても
ひと月もすれば飽きがくる。
それが当たり前になってしまった瞬間から
何かイベントを欲する事になるのが関の山ということ。
かの有名な世界的投資家ウォーレンバフェットだって
きっと生涯現役で投資という仕事をし続けるだろうし
人は世の中から必要とされなくなった瞬間
腑抜けな人生となり命尽きるもののように思う。
そういう意味で言うとコロナ禍の自宅待機という
自ら仕事に一段落をつけ
疲れた身体を休める時間と考えた自粛初期の頃は
ある意味ストレスが最小の状態にあったわけだが…
当然キャンプには身が入らないわけで
むしろ仕事に追われ疲弊していた方が
キャンプでは心身共にリラックスが得られ
リフレッシュになるものだと思ったものだった。
一方で、仕事もそこそこ調子が良く
ストレスも少なからず抱えていた今年始めのキャンプは
それでも何か物足りなさを感じる自分がいたもの。
お陰で幕体の重さと尺の長さから積載最悪なため
連泊確定の時にしか出番のない
MLIMA BAHARIー4での出撃が多かったのは
そんな物足りなさの払拭という事実が
この幕を選ぶ事による労力を上回っていたからに他ならない。
これは妻にも同様の感覚があったようで
つまりは現在のキャンプスタイル
特に所有のテントバリエーションに
飽きが来ているのかも知れないな…
どうやらそういう事のようだった。
そんなジレンマを抱えつつ
今年に入ってからというもの妻のおねだりは
加速度的に激しさを増して行く。
今あるテントで十分という私ではあったが
もし新たな幕を選ぶとしたなら…
そんな心の中のシミュレーションを
いつの間にか繰り返すようになり
幕選びを一から整理してみる事になる。
我が家の幕選びはある意味特徴的で
①なるべくコットン素材で
②冬に快適であり
③現在使用する道具とマッチし
④人とかぶらないこと
⑤設営は簡単より複雑の方が好み
(ペグ数は多いほどいい)
まとめると現行モデルがなく希少性の高い廃盤幕や
ビンテージ幕を中心にラインナップしてきた。
お店では売ってない幕を買う
これを是としてきたわけである。
この選択の方法には非常に高い所有の満足と
オリジナリティの高いキャンプの実現という結果をもたらすわけだが
そろそろテントが欲しいとなった時に
タイムリーに行動できないという
ジレンマが常につきまとう。
そりゃぁそうだ…欲しい幕は簡単には現れない。
ただ、不足を言うならば…四季を通じて使える幕とは?
ここが焦点だったように思う。
冬キャンプ寄りというこれまでの選択は
このところの暑すぎる夏というのが盲点だった。
無論、夏のキャンプで暑くて暑くて眠れないなどという事態は
夏キャンプに標高を上げる我が家にとっては、このセオリーを
破った時のみであるため、さほどの問題ではないのだが
夏に涼しそうな幕はこれまで何度も手を出しそうになっていた。
例えば…小川キャンパルのトリアングロという幕
フルメッシュの幕体を見た妻が仰天し
絶対に将来手に入れるリストに入れていた。
仲間との会話でも幾度となくこの名前が出たものだ。
一方で私の見立てではタープなしでは
あまりに脆弱である事と冬幕としての用途が想像できない
という二大理由により何度も却下してきた。
つまり夏のキャンプで所有のラインナップ以上に
快適に過ごせそうな幕であると同時に冬幕として十分に
性能のある幕…コレが選択肢として有力となった。
我が家が所有するビンテージ幕はフルコットンが利点で
そこそこの遮光性もあるにせよ
メッシュやドアが少な過ぎて風が通らない。
一方で夏の主力となるwechsel tents ZAMBESIは
ベンチレーションは秀逸ながら幕体が明るすぎて遮光性に欠ける。
結論としてはベンチレーションが秀逸+高い遮光性の幕
果たしてそんな万能な幕がこの世にあるのだろうか?
このようなプロセスを経て選択肢は少しずつ狭まっていく。
次に考えたのはテント形状
不足の補完という観点で形状を見ていくと
現在保有するテント達はそれぞれ形の違う物を選んできた経緯がある。
①ビッグアグネスに代表されるドームテント
②メガホーンIIに代表されるティピー
③トルテュライトに代表される大型ツールーム
④CABANONに代表されるいわゆるウミウシ
⑤MARECHALEやMLIMAに代表されるロッジ
⑥wechselに代表されるトンネル
ことテント選びにおいてはトンネルだけを2つ3つだとか
ティピーだけを大きさ違いでと選ぶ人
同ブランド内で複数、ヒルバーグ一択など十人十色であるが
我が家はある意味、形のバリエーションを
テント選びで増やしてきたとも言える。
こうなると残る形状はぐっと狭められ
概ね残るは2ポールシェルターかA型に絞られた。
妻はあいも変わらずトリアングロ トリアングロと
仏僧のように毎日唱えている事を加味し
1つの提案をした。
こんなテントならばどうよ…と。
選択肢として提案したのは2018年発売
テンマクデザインのPEPOだった。
我が家のこれまでのスタイルを踏襲可能なクラシカルなA型
冬キャンプでも十分に機能するだろうTC素材
年平均50泊のうち8割方を布テントで出撃してきた
屈指のコットン使いである我が家にぴったりではないか?と。
そしてトリアングロほどではないがガバっと開く
風通しの良さそうな背窓
この大きな窓に美しい景色が今後幾度となく映る事は
妻にも容易に想像ができたようだ。
何より、発売から二年が経過しネガティブな評価を
耳にしたことがない。
テント選びというのは車選びに似た感覚が重要で
当たり外れは発売後に浮き彫りになるものと考える。
私的にはテンマクのHPにある別途オプションの
TC幕を保護するシールドルーフ的な
テントルーフタープという商品がラインナップされているのを見て
これは確実に夏幕になると確信した。
写真クリックでテンマクデザインのHPに飛びます。
夏幕としての詳しい運用を含め詳細はキャンレポにて
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