通常、テント内での火気の使用は厳禁であり、まして焚火などは不完全燃焼による
一酸化中毒、または酸欠、火災の恐れのある大変危険な行為です。
今回ご紹介した記事中のアクトに関しては、入念な準備と専門家の意見を参考に
あくまでも自己責任で行っております。
当記事を参考に同様の行為を行ったとしても当方では一切の責認を負いませんので
あらかじめ御了承ください。




強風吹き荒ぶ草原で、一人のオッサンが花見に興じていた。

このオッサン、年86泊をキャンプ場で過ごすよっぽどのキャンプホリックなのだが…









実は、いつも夫婦二人キャンプがデフォルトでソロ出撃は

今回初めて、並々ならぬモチベーションでこの日を迎えた。

なぜかって？

この日は妻が仕事で男だけ休みが取れたからである。

妻と二人でするキャンプはそれはそれは楽しいものだが…

自分への挑戦の如きソロキャンプにも憧れが募り、この日が来るのを待ちわびていた。

普段、妻と一緒ではなかなか出来ないような事を、何としてもやり遂げたい。

コレが、今回自分に課したキャンプテーマだった。









前日の晩、自家焙煎しているコーヒー豆を知人にあげてしまい

このキャンプでは、焚火か何かで生豆を一から焙煎しなければ

いい朝を迎えられない状況にあり、先ずはこいつを片付けなきゃな…と

ココナッツオイルの空き瓶に持参した生豆を準備した。

蓋を開けると、ほのかなココナッツオイルの香りが鼻をくすぐった。

コーヒー豆入れにはコンパクトで丈夫で香りもいいなと思った瞬間、笑みがこぼれた。









ただ一つ、心配事があった。

眼下に広がる草原の先の桜並木は、見事な花を咲かせていたが…

時折、恐ろしい轟音を伴って風が吹き荒れるのだ。

並木の花は風に舞い、これこそ桜吹雪とも言える白い花弁がトルネードを作っている。

春先の風は侮れない。


この風の中、火を焚くのはちょっと問題があるな


そう思い、風除けになるような場所を探したが









この広大な草原にその様なシェルターは一つしか見当たらない。


もっとも風の弱い場所、それはテントの中


そもそも、今回持参した参天と呼ばれるティピー型のこのテント構造は

ベンチレーターとなる開口部が頭頂部にあり、アメリカインディアンのスー族は

開口部真下で火を囲んでいたわけだ…テント構造とその中の気流を考えるに

充分な換気をしつつメガホーンIIのセンター付近で小さく火を焚く分には問題ない。

まして、上部ベンチレーターの換気効率が良過ぎて冬幕としては寒過ぎるメガホーンIIには

うってつけのチャレンジだ。


大事なのは炎のコントロール


自分に言い聞かせる様に軽く頷き、男はいそいそとテントの中に焚火道具を運び込んだ。









コーヒーの焙煎にかかる時間は、ものの15分から長くても20分程度。

その時間、小さい焚火をし続けるだけの作業に男の胸は躍っていた。

新しい営地を目指す時

新しい道具を使う時

そして新たなシチュエーションで普段やり慣れたキャンプアクトを行う時

胸躍らせるのはキャンパーの宿命だ。









焚火に火が入った。

着火はSOTOのスライドガストーチ ST-480でお手軽着火だった。









充分な乾燥小枝は簡単に手に入り、その気になれば一晩中焚き続けられそうなほど。

それでも途中、何度か鎮火しかけるたびに生豆の入った手網を動かすのを止め

火の世話を行いながらの作業、通常ならばパチパチと豆が爆ぜる音が響きだすのだが

その音は、聞こえては来なかった。

ちなみにパチパチ音が鳴らずとも、焙煎はそのプロセスをキチンと消化している。

こういうシチュエーションの場合は、音ではなく色味で判断が必要となる。









メガホーンIIはその形に必要十分なティピーのポテンシャルを秘めており

大きく開け放ったエントランスから時折吹込む風の影響がなければ

ほとんどの煙をベンチレーターから排出、煙は真上に登り幕内が煙くなる事もほとんどなかった。









かくして焙煎が終了し、焚火の鎮火を待つばかり

ソロじゃなければ、こんな焚火は出来やしないだろうなぁと男は満面の笑顔で豆を眺めた。


この満足感ソロならでは！


持参した時と同様にココナッツオイルの瓶に焙煎豆を入れてみると

キチンと豆は膨らみ、満タン状態になった…この膨らみ方は想定通り焙煎も上々だ。










これだからキャンプはやめられない




-注意喚起-
通常、テント内での火気の使用は厳禁であり、まして焚火などは不完全燃焼による
一酸化中毒、または酸欠、火災の恐れのある大変危険な行為です。
今回ご紹介した記事中のアクトに関しては、入念な準備と専門家の意見を参考に
あくまでも自己責任で行っております。
当記事を参考に同様の行為を行ったとしても当方では一切の責認を負いませんので
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