【後編】フルコットンが映える季節、妻と別れる事にしました。

劇団にひき

2022年11月25日 11:59

夕暮れを迎えた日山キャンプ場





この日曜日は思ったよりも来場者が多く

キャンプ場上段吾妻連峰側は一箇所を残して

全てのサイトにテントが設営された。





私達が初めてここを訪れたのが2016年4月末

当時のいつも貸切りという状態を思えば

ここ数年の活況は驚くばかり





貸切りが最高なのは疑うべくもないが

人の息吹き営みあってこその価値だとも思う。

当時はいつも人がおらずどうしても

物悲しい印象が拭えなかったものだ。

(当時の)管理人さんの話では震災以降

明らかに利用者が激減し戻ってこないとの事

そんな流れが変わったのは2018年辺りから


キャンプ場を散歩する猫達

こむぎは慣れたものでズンズン前に進み

新入りだいずは寄り道が多い笑





土日泊だと下段のこちらのエリアにも

テントが立ち並ぶわけだが流石に日曜泊

下段のテントは全て撤収されていた。

かつて下段のこのエリアに設営をした事がないのは

上段に張れなかった事がなかったから。

つまり日曜泊の恩恵だ。





この時間になると冷たい風を感じるようになったため

ベイカーテントは片側の袖を下ろして

前室をつくり風避けのギリーネットを久々に設営





風対策としてはパーフェクトな効果

早速夕食の準備を…

今夜は秋鮭のホイル蒸し





その間、私は焚火の準備にかかる





食事などは妻が担当し

私は主に環境の構築とお酒係

デュオキャンプはこの作業分担で

お互いの時間を増やせるのが良い所





秋鮭に舌鼓を打ちながら楽しむサンセット





先々週の方がよかったと思っているのだけれど

そんな野暮な事は口には出さないでおく





日差しの弱まる季節だからこその

侘び寂びがこもった夕暮れ





秋の夕暮れはそんな物悲しさがいい。

幼少の頃、鍵っ子だった私は友達と別れ

いつも一人でこんな空の下

誰もいない家に帰宅する。

そんな遠い記憶がフと頭に浮かんできた。





結婚をしてからというもの

仕事も一緒生活時間も一緒

つまり24時間良くも悪くも

一人になる事がなくなった。





そんな二人の別居キャンプはどんな気分かな?

とりとめもなくそんな事を思いながら眺める焚火。





人が多い割に静かな夜の始まり

コオロギの囀りが心地よく耳に届く夕べ





初おろしのベーカーテントと

何度も使ってきたビンテージマルシャルで構築した

今宵の我がサイトは





見上げればそこにナナカマドが見え





適度にタイトなリビングは

ベーカーテントならではの囲まれ感と





風除けに追加設営したカモフラージュネットのお陰で

風の侵入もなく焚火熱の循環する





そりゃぁもうこの上ない

暖かな空間になっていた。





こうなるとやる事は一つ

ウィスキーを傾け焚火を楽しむだけ。





普段のオープンタープと違って

ある程度囲まれた空間にいるせいか

こむぎも落ち着いていた。





開けっぱなしの寝室の奥には窓があり

隣のサイトの灯りが見てとれる。

そのお陰もあって

2200mm×1500mmのインナー部分は

寸法こそソロで使うにちょうど良い狭さながら

閉塞感のない空間となっている。





鍋が出来上がり





食べ終わる頃には薪を焚べるのもやめた。





テーブルの向こう側

ちょうど私が座っている位置辺りが

タープとして跳ね上げをしたフロントパネルを

閉じた時の位置、

つまりベーカーテント本来の大きさとなる。





フロントパネルが2200mmの尺があるため

広大に見えるけれど、幕自体は

高さはあれどコンパクトなもの。





この夜は冷えるかもしれないけれど

フロントパネルは跳ね上げた状態のまま

寝ることにした。





夜空には無数の星が輝いていた。





インナーを隔てるドアはメッシュのみ

朝方には冷えを感じ、普段布団のように

かけるだけにしているシュラフだが

真冬のようにシュラフにもぐりジッパーをしめた。





やがて朝の光が差し込んできた。





サイト東にある大きな木立のお陰で

まだサイトは日陰のまま





なんと素晴らしい朝日か





気付けば我が家の子供達は

マルシャルのヒサシ部分で

朝日を愛でながら佇んでいた。





まだこむぎお姉ちゃんの方が

体重が重いんだね。





初めての別居キャンプ





不思議なことに、普段は妻にべったりのこむぎは

私のテントで

逆に普段私にべったりのだいずは妻のマルシャルで

それぞれ寝てくれた。

妻にしてみれば初めての外での一人寝ではあったが

そこはやはりペットと一緒の外寝

寂しさは感じなかったようだ。

むしろ静かにゆったり寝坊もできたと

そういう感じだったらしい。





テント二つを駆使して構築した

別居キャンプはあらゆる意味でとても満足の高い

キャンプとなったけれど

私にしてみれば、これまで頭の中にだけあった

構想が現実に形になったという満足感が

とても大きかったと思っている。





思いを形に

それがキャンプ



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