痛すぎた朝 逃げ帰るソロキャンプ

劇団にひき

2021年03月18日 10:01





風のお陰でテント初張りの苦労は半端なかった。

加えて強風では焚火ができないため

風の中、火が焚けるようにと持参したのが

焚火台がわりの薪ストーブOzpig

これは昨年からの目論見







この時期の枯芝は焚火との相性は最悪で

例えば火種が落ちてひとたび風が吹いたならば

一面炎に包まれる事もあり得る話。

そんな理由から薪ストーブという選択は

運用次第で安全に火を扱うには最良なツール

オフィシャルのHPでは屋外で

キッチンストーブとして使う事が前提とある。

暖房として…よりも調理熱源として

例えばこの日のようなシチュエーションでは

最適とばかりに組み立てを行った。



相変わらず風の影響は少なくないが

突風の感覚はかなり長くなっていた。







40cm薪を一薪だけ持参したため

これを半分にカットするところからが

スタートだ。

小型のOzpigは40薪が収まらないのが理由とはいえ

これで薪の数が倍になると思えば

価値は非常に高く必須の作業。

年齢と共に非力になった私にとっては

なかなかの重労働で筋肉痛を覚悟

つまり運動不足を自認しているということ

思い返せばバースプーン以上の重さの物を

今週は持っていない笑







薪が揃ったところでやっと一人乾杯ができた







気温は10℃を下回った程度だろう

真冬の服装なので寒さはこの時点で皆無







それでもタープレスで焚く

薪ストーブの暖かさは

身に染みる温度だった。







ジョニーウォーカーのソーダ割りを

ひたすらにあおって酔い潰れてしまう

そんなキャンプにはしたくなくて

このキャンプではコンテンツを色々と考え

準備してきた。







先ずはいつものようにコーヒー生豆の焙煎を

Ozpigの上蓋をスライドさせ焙煎スタート。



薪ストーブOzpigでの焙煎は初めてだが

色々と分かったことがあった。







煙がかなりの割合で煙突から逃げていくので

Ozpigでの直火焙煎は焚火による焙煎よりも

雑味となりやすい焚火臭が

最小限で仕上がるだろうだとか

熱が焚火よりも安定しているだとか…

焚火臭のコーヒーも悪くはないが

心から美味しく飲める期間が短いのは

経験済み。







朝から何も口にしていなかったせいで

焙煎中は腹が鳴りっぱなしだった。







この時点で四時半を回っていた。

設営に手こずったせいでかなりの時間を

浪費してしまっていたのだ。







さぁ腹に何か入れるとする。







ストーブトップにスキレットを置き

プレヒート後、ラードを一欠片落とし

オイルを回す。







好物の金山寺味噌豚のトンテキ

幼少の頃の記憶だが亡き父が味噌漬けの豚を

よく食べてたっけなぁと

そんな事を思い出しながら







サンチュに巻いて食す。

空腹が長かったせいもあって…

人生指折りの美味さに一人笑顔になっていた

コーヒー焼いてニヤニヤ

豚テキ食ってニヤニヤ

通りがかりに誰かに見られたならこのおじさんは

かなりタチが悪く映っていただろう。

だからと言って無表情で食べたって

美味さがスポイルされるだけに決まってる







大方食べたところでさほど冷やしてもいない

ベルギービールドゥシャスの出番

毎度毎度のMさんからの頂き物。







何という贅沢か

赤みがかった夕刻の光の中







豚テキで腹を満たし

ゆっくりとドゥシャスで過ごす



素晴らしい夕焼けがあるわじゃないし

これといって感動の要因などないのだけれど







最高の夕暮れだった。


これだからキャンプはやめられない


日が落ちた瞬間から寒さがすぐそこに迫る

薪ストーブ正面にまたがるように座る私は

その冷気をものともしていない幸福







たった一人このキャンプ地で幕営し

「あったけぇなぁ」と

人に見せられないような

安堵の表情でこの時を満喫している。







今後の仕事のこと、愛猫のこと

心配事に押し潰されそうな今ではあるけれど

この先、何があろうと受け入れなければ

先には進めないからキャンプする。







それでいいのかなぁそれでいいよなぁって

一人でいると様々な思考が巡るものだけれど

酒を飲みリラックスしてくると

心配事はどうでもよくなって







いつしか頭の中を整理する時間になっていた。







誰もいない事がありがたい夜。

ふと気付けば風は止み空気が止まっていた。

この時期のキャンプに訪れる

音もなく、風も止まり、ただ真っ暗な

無の時間の訪れ







ソロキャンプには毎回こんな時間があるのがいい。




さぁこいつを食ってしまわねば

このキャンプは終われない。







ホッケの一夜干しをOzpigで網焼きにして







テントの中へ

ホッケの開きは骨にこびりついている

これが旨い。







あとはアードベッグをチビチビやりながら







眠くなるのを待つだけの時間。

平穏無事な完ソロに思えたのだが…







福島県双葉郡川内村の朝がキツかった。

シュラフの中では全く気付かなかった事。

寒い…とにかく寒い凄まじく寒い

寒すぎて何もできない。







シュラフから出たはいいが

痛いくらいの冷気に襲われガクブル状態に

薪ストーブは薪が残り二本、役に立たない

念のためと持参したガスストーブは

ドロップダウンで使えない。

液燃ランタンを朝から点ける気にもなれず

取り急ぎ暖かいモノでごまかすくらいしか

思いつかずコーヒーを淹れたのだけど

淹れてる間に冷めてゆき「ぬっるぅ!」

一体今何度よ?







温度計を出して測る気力すらなく撤収する事にした。

何せ東側の山を背にしていたから日が差し込むのは9時以降

恐らくマイナス二桁はいっていたのだろう。

真っ青な空とは対照的にフィールドは

霜で真っ白、テントも何もかも霜だらけ

結果、朝晩の気温差に逃げ帰ったソロキャンプに。

極上の夜に、寒さ痛すぎる朝


それがキャンプ


※詳細は聞いておりませんがいわなの郷が
来季か来年か値上げを予定しているとの事
現在1張り550円が1100円になる見込みのようです。


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