キャンプベストシーズンの始め方
簡易的な樹木の年齢を推測する方法に
地上1m地点の幹の外周を2.5で
割るという方法がある。
樹木の種類や枝分かれの数によって
成長の仕方は変わるので
アバウトな数値にしかならないが
その方法による推定樹齢120年
夫婦二人分を超える樹齢の木の下
樹木のパワーにあやかろう
そんな気持ちでマルシャルを張った。
フルコットン幕は何度設営しても
小雨ならともかく大雨になると
雨漏りの不安が拭えないものだが
雨が降ってもこの木の枝が
雨を遮り、雨粒はしばらく落ちてこない
そんな守られ感ある夜になった。
明けたこの日は雨予報
眠い目のこむぎは仏僧のような顔 笑
午前中のうちにタープの張り方を
少し変えて降雨に備える。
やがて雨音静かな小雨となった。
タープ下で佇むこむぎの背中には
哀愁が漂っていた。
この日は今年の初物がメインメニュー
「秋刀魚なんて塩して焼けば食えるでしょ」
軽く考える私を遮るように
「ある程度の下拵えで全然味違うんだよ」
と妻。
ちゃんとした仕込みを教えてもらう事に。
先ずは垂直に包丁をあて
そのまま平行に皮を尻尾から頭へ
擦るように動かす。
ウロコなどが綺麗にこそげ落ちた。
その後、魚体をキッチンペーパーで
丁寧に拭き身を引き締め
臭みを取るために振り塩をする。
最低15分そのまま放置
この間に大根でもおろす
…のが普段の手順なのだとか
「あらまぁ秋刀魚ごときにこんな
手間暇かけてたとは頭が下がります」
私が恐縮すると
「今日オロシ金持ってきてないんだよね」
これお願いと手渡された物体には
見覚えがあった。
「コレって確か…こむぎの…」
そう、コレは紛れもなく猫ブラシ 笑
『なで猫しゃもじ』やん!
これでオロセと……。
「ない時は代用でしょ!」
それがキャンプ
と言わんばかりの妻の攻撃だった笑
辛い仕事が待っていた。
この苦難を乗り越えた先に
美味しい秋刀魚が待っている!
シュコシュコシャカシュコシュコ
シュコシュコシャカシュコシュコ
シュコシュコシャカシュコシュコ
シュコシュコシャカシュコシュコ
ハアハアハアハア
ゼーゼーゼーゼー
ハアハアハアハア
30分以上かかってしまった汗
やっと飲める
ウィスキーを手に取った私の傍では
妻が先程の塩で浮いた水分を丁寧に拭き取り
仕込みを完了させていた。
あらためて振り塩をし
焼き始めた。
イワタニ炙りや万歳!
魚焼きはなかなか根気がいるもの
焼けたかなぁ?なんて
ちょいちょい焼き目の確認なんかは
しちゃいけない。
昔の人はこう言ったもの
「魚は殿様に焼かせよ餅は乞食に焼かせよ」
何事にも適任者がいるという諺だが
殿様になり切って気長に
香りが変わるのをジッと待つのがコツ
素晴らしい焼き具合!
すだちを添えたら完成だ。
こうして今年もキャンプで
美味しく初物をいただく事ができて
秋の到来を秋刀魚で実感
もちろん食べ終わったら…
骨煎餅にしてゴミにしないのが
我が家のルール
上手に骨を残さないとコレも楽しめない
秋刀魚を上手に食べられるよう
躾けてくれた今は亡き両親に感謝
翌朝は最高の天気
毎年やってるけど
キャンプベストシーズンの到来は
秋刀魚で始めなくちゃね
皆様の励ましに心から感謝しております!
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