壱から始める猫キャンプ

劇団にひき

2021年04月05日 12:05

三月に入りほとほと参っていた。

季節の変わり目の今

出撃予定日の度にやってくる低気圧

この時期、だいたい一週間周期で

毎年、日本列島には大陸の低気圧が

流れてくるものだが…今年はまんまと

我が家の出撃日である日曜日がターゲット

「今週どこに行けるかなぁ?」

予報を見ると必ずと言って良いほど

『春の嵐、全国的に週末は大荒れ』

と、大袈裟な予報のオンパレードだった。

普段ならば三月の雨など蚊ほどにも感じない

二人だが好天を望む理由があった。







三寒四温とはそもそも冬の気温周期らしいが

これは支那北東部から朝鮮半島といった

シベリア高気圧の強弱周期の影響を受ける

エリアの諺だったらしい。

日本においては太平洋高気圧の影響もあり

必ずしも冬に起こる気象現象にはならず

ちょうど春先の今頃の周期的な気温の変化を

指す言葉になっているようだ。



雨雲の発生要因の一つには空気中の

チリやホコリがあげられるが

この時期の一週間周期の雨は

ウィークデイにチリやホコリが量産され

それを核とし水滴となり雨雲が

週末に発生するという説もあるのだそうだ。



そんな日曜雨天続きの今年三月







前回記事でお伝えした通り

大切な家族を失い失意のドン底の中

縁あって新たな家族を迎えることとなった。

愛猫ナツには替えられないと妻は初め

再び里親になるという決断に躊躇を見せた。

それでも悲しみに憔悴する姿は

見ていられるものではなく

毎日のように涙に明け暮れる日々は

私も同様に辛いものだったのだが

新たな家族『こむぎ』の存在が程なくして

悲しみの涙を泣き笑いに変えてくれることに







新たにやって来たこむぎは可能性の固まりで

可愛さと賢さそして物怖しない性格を見

今度こそはキャンプ猫に育てようという

新たなモチベーションを二人に芽生えさせる。




  


我が家にやってきた初日こそ

ソファの下に入り隠れる素振りがあった彼女

翌日には慣れて元気に遊ぶ姿が見て取れた。







里親さんの所ではケージ飼いをしていた

との事である日突然広大な空間を与えられ

困惑しないようにと、先ずは生活空間を

リビングのみに限定、隅々まで

攻略できるようになったら次に

2Fサンルーム(薪ストーブエリア)

そしてキッチンへと活動エリアを

順次開放して行く、そもそもまだ

『こむぎ』という音が自分の名前かどうか

分かっていない状態でのエリア開放は

行方知れずになった時探しようがない。







「こむぎ」と呼んで振り向くように

なったのを見計らって寝室も開放

妻のベッドに一緒に入り寝るようになった。

コミュニケーションが深まっていくのを

肌で感じたもの。







根っからの探検家の彼女は勇猛果敢で

新エリアの開放は彼女の世界を大きく広げ

活発さはきっと今が頂点




そんな元気一杯なこむぎの姿は二人にとって

同時に仕事の励みにもなって行く。




愛猫ナツを亡くしたその週の事。

まさに茫然自失、気力を失った夫婦二人は

閉店時間を迎え全ての片付けを終え

店の看板電気を消したはいいが

自宅にナツがいない現実と向き合えず

何をするわけでもなく

店に残りため息をつくと一筋の涙が頬を伝う

誰もいない空っぽの自宅にただ真っ直ぐ

帰る気になどならなかったのだ。



それがどうだろう今となっては

急ぎ片付けをしてこの子に会いに

急いで帰宅するわけである。

この子は今後キャンプに連れて行くしかない

そんな気持ちが芽生えるのは

当然の成り行きだった。







次のステップはワクチンの接種のため

車での外出となる。

たいていの猫はこれまでの経験上

車=病院という図式が出来上がってしまい

とにかく車に乗る事を拒むようになる。

こうなってしまうとキャンプ猫どころの

話ではなくなってしまうため

車=嫌な思いをする場所という

経験の上書きを行うことに。







ワクチン接種後、体調の回復を数日待ち

以降は事あるごとに近所の

買い物などに連れ出した。

この時点でハーネスとリードの着用も

同時に行う事に

これに慣れてくれないと話にならないからだ

抱っこが大好きなこむぎは

一人遊びの時以外は膝に乗ってきてデレデレ

そんな状態を好むー猫としては偏屈さの

欠片も見当たらない性格を垣間見せている。







車での外出に慣れるまであっという間だった

初めこそエンジンの始動音やエアコンの

ブロワー音に反応したものだが

三回目の外出辺りになると完全に慣れて

鳴き声も出さず外の景色を見るようになった

そのうち抱っこされると眠ってしまうまでに

この辺は人の子と変わりはないようだ。



そして最終ステップ

猫は靴を履いていないため

生身の肉球でフィールドを感じるわけだが

室内飼いの場合は生涯を通じて

絨毯やフローリングそしてタイルなど

人工物の感触しか経験しない

例えば突然草の上や土のフィールドに

その足をつけたならば普段と違うその感触に

驚き固まってしまう

これは家猫の場合、逃亡の防止に繋がるが

キャンプでは無用な萎縮に繋がるので

キャンプフィールドを想定し

庭を闊歩させてみる。







すると…やはり初めて踏みしめる土や

硬い草の感触に戸惑ったのか脚を縮め

短足状態でにゃぁにゃぁと鳴き声を上げた。

それでもフィールドの感触にも直ぐに慣れ

草の匂いを嗅ぎ、土の冷たさにも

モノともしなくなった。

ついでに近所の満開の桜を観に出掛ける。







「淡いグレーの君は桜もよく似合うね」

心なしか誇らしげな顔立ちに安堵。

庭に植えてある夏椿には

新芽が顔を出し始めている。

一足早い春の訪れを肌で感じる一日だった。







さぁここまでで準備は八割方完了

キャンプデビューが楽しみ楽しみ!


◇SPECIAL THANKS◇

キャンプ出撃を目前にSuika氏に
さまざまなアドバイスを頂きました。
誠にありがとうございました。


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