「さぁ次はどこに行こうか?」
このところ毎週のように思い倦ねる(あぐねる)のが
次の行き先。
11月ともなると東北地方のキャンプ場は
冬季閉業の看板を掲げる時期でもあり
毎年毎年こんな話題から始まるのが
撤収後の帰路をゆく車内
「そう言えば、あだたらのポイント…アレだよな?」
通年営業のフォレストパークあだたらには会員制度があり
スタンプカード満タンで半額券が手に入るのだが
そのスタンプが残り1個か2個で
二度目の該当となるタイミングだった。
その実、10月の消費税率引上げに伴い
低調だった仕事の方も今月ようやく動き始めたこともあり
疲れも溜まった月、それを癒す入り放題の
温泉キャンプに大いなる誘引力を感じていた。
「行くか?二週連続になっちゃうけど…あだたら?」
YES以外の返答がない事など分かりきっていたけれど聞いてみた。
「え?いいの?絶対今週も温泉キャンプしたかったんだよねー」
アドリブのない台本通りの妻の返答は
…120%を超える想定通りの答えだった。
福島県いいやこの時期ともなれば
北日本が誇るフォレストパークあだたらは
妻一番のお気に入りキャンプ場であり
私ですらあだたらに行く為に働いているくらいの気概を
所持している いわゆるファンの一人。
心根を打ち明けるなら月4回の出撃に一回
つまりは月一で幕営しても満足のあるキャンプ場という位置付け
無論、二週連続のあだたらとなると
本来的には憧れの部類である。
相変わらずの日曜チェックイン
人も少なくこのルーティンを正義に感じる瞬間
なーんて思ったら…何と久々の貸切りだった。
スタッフの方も貸切りは本当に久しぶりだと言う。
東北屈指の貴重な通年営業のキャンプ地
なんと贅沢なキャンプだろう。
このキャンプには楽しみが二つあった。
先ずは、自らデザインした窓付の
ウィンドシールド(陣幕)の試し張りと
充電式のエアポンプのデビュー
これまではDC電源のポンプだったため
エンジンをかけた車の横でベッドを膨らまし
テント内に運び込む状態だった。
正直なところダブルサイズのこのベッドを
入口の決して広くないテントインナーに入れるのは
二人がかりの作業だったので
テントインナー内で完結したくて仕方なかったのだ。
小型すぎなのが不安だったが使ってみると
DC電源の物よりも出力は落ちるものの
きちんと仕事を果たしてくれた。
それより何よりインナーテント内部で
畳まれた状態から展開するこの楽さが嬉しい。
底冷え対策も万全でおさらいしておくと
インナーテントボトムに先ずはアルミ蒸着の遮熱シートを敷き
※以下の写真は前回マルシャルでの使用時の物
その上に見栄えと暖かさのためのシャギーラグを重ね
ベッドはアルミ引きのピクニックシートを引き
この状態でシーツに包むという段取り。
一方で、思いが形となったウィンドスクリーン(陣幕)は
初張りというよりも試し張りの位置付け
高さ140cmのポールサイズでオーダーしていたが
本物を見てポールを揃えようと思っていたため
取り急ぎ四つ角落としの形で張った
TATONKAのタープのサブポール(180)を起点に
設営してみる。
これが出来るのは…オーダーの段階でタープポールを
そのまま使用する可能性を伝え
ポールスリーブは直径30㎜のポールサイズで
作成してもらっているのがポイント。
残念なことに(本当は嬉しいけれど)
この日は風も緩く安心の初張り
なくても問題ない状態で陣幕を試すという
ある意味極上(意味のない)のコンディション
乾杯は、サントリーがハイボールのマーケティングを
本腰入れて取り掛かる前の20代の頃から
ずっとずっと飲んでいたカティサークソーダ。
夕暮れは感無量のひと時だった。
夫婦二人キャンプ
近年、SNSではデュオキャンプなどと
ある意味古めかしい言葉のタグが散見されるようになった。
二人の会話が途切れたらシラけてしまう街のデートとは違い
お互い無言の時間にも価値が上がっていくのがキャンプ
ヒラヒラと舞う落ち葉に季節の移ろいを見
朝夕訪れ森にこだまするカン高い小鳥達の声に聴き入り和み
それを皮切りに動き出す大気に気付く。
頬をなでるこの風の温度で夕暮れを感じる時間
ソレを感じとった二人は
オートマティックにやっておくと良い次の行動を起こす。
一人が幕の中の石油ストーブに火を入れ
もう一人は暖かい食べ物を作ったり
もちろん忙しさはなくナチュラルなあんばいで事は進行してゆく。
言葉が無意味なのには理由があって
つまり、そこにはこの時節あらかじめ共有された目的に
近づいている状態だからこそ。
『寒さの中に最大の快適を作る』
それがこの時期の我が家の最高冬キャンプ
これまで冬キャンプと言えばテント内部だけに
暖房の考え方が偏っていたけれど
昨年、今年とオープンタープ下の暖の拡充にその重きを置いてきた。
空に大きく広げたTATONKA1TCの下で焚火を囲み
今年は自作の窓付き陣幕が風を遮りさらなる
焚火熱の循環を促してくれて焚火自体は
大型風防が反射熱をくれる。
テントインすれば、そこは自宅より暖かい暖房設備に加え
極上ベッドのスリープタイム
毎年毎年、今年の装備が一番だと思ってきたけれど
今季も前年を凌ぐアップデートが実現している喜びが大きかった。
ようやく今年も東北に冬がやってくる。
不思議な事にキャンプを始めてからというもの
厳寒の冬が待ち遠しくなった二人。
この日、今季初めてとなる雪虫の舞いを見た。
今年の初雪の知らせはニュースで聞くよりも
その日その場で素肌に感じる冷たさで知りたいもの。
それがキャンプ
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