日曜泊、閑散とした日山キャンプ場に夫婦二人

ランブルスコを持参していたのだけれど

この日はどうにも湿度が高く近くの温泉で購入した







スーパードライで乾杯スタート







アテは厚切り牛タンだった。

脂の乗った芯タンが１枚目という

愚かなスターティングだが







う う う 美味い！







時折、日の光がサイトを眩しく照らす。







時の経過と共に湿度も抜けていき

時々やって来る太陽にいちいちときめきがあった。







勿論、それは束の間で数分で暗くなるの繰り返しだが

気分は上々、なぜなら贅沢な企みを持っていたから。







大好きな大好きなスモークヘッドの飲み比べを

このキャンプでは楽しみにしていたから。

いわゆる縦吞みというやつ







偶然見つけ手に入れた限定品のスモークヘッド

年一での発売で無くなり次第売り切れとなる

その名もシェリーボム と…

飲み慣れハマったノーマルスモークヘッド

北海道キャンプ前に運良く手に入れ

個人的にはシェリーボムがジェントル過ぎるように

感じていたのだけど味わいの深さが際立つ印象だった。



一方でノーマルスモークヘッドは

ただでさえ濃すぎで荒々しいのに、比べて飲むと

余計に暴れん坊に感じるからウィスキーは面白い。







ジェントルには決してなりきれない自分をそこに垣間見

まだまだ行けると教えてもらった気分だった。







決してなくなることのない鼻孔をくすぐり続ける

スモークヘッドの煙臭と余韻に浸っていると

魚臭をまとう煙がサイトに立ち込めた。

そこに現れたのは今年の初秋刀魚

北海道産である。







私は大根をおろし、スダチをカット

アイラモルトは海の幸との相性が抜群なのが嬉しい。

テイスティングを終えた頃には

すっかりいい気分になっていた。







そんなタイミングで再びの太陽がサイトを照らす。







気付けば…そこにあるもの全ての影が長く伸びていく

カナカナカナカナ と

ひぐらしの声が耳に届いた瞬間

ゾワっと来るものがあった。

「コレだよコレ…これを感じたかった…。」

晩夏初秋の夕暮れには独特なものがある。

真夏の間は蝉の声だけが夜半まで残り

蒸し暑さ全開のイメージだが

この時間バトンタッチの様に

蝉時雨とコオロギ達が和音を奏ではじめる。

それは不協和音であって倍音でもある不思議な合唱だ。

耳に届く音から身体を冷やしてくれているかのように

心地よい気温を感じている自分に気づく。







音や気温を感じていると五感が研ぎ澄まされて行き

自らが自然と同化して行く心地よさに変化する。

その感覚はなぜか全く真逆のシチュエーション…

音のない冬キャンプの朝のアレに近い。

心地良さの感覚はキャンプ毎に違うものだし

あったりなかったりするけれど

自然が私に与えてくれる普遍の心地よさとでも言おうか







言葉にうまく表現できないけれど

こんな感覚が生まれるキャンプはこう思う

常習性があるな…と。







日が沈み、急ぎランタンと焚火薪の準備をし







夜の帳に間に合わせた。







豚シャブをディナーにこれから始まる秋冬の…







キャンプベストシーズンについて妻と語らう長い夜の始まり。

一般的にキャンプベストシーズンと言うと

秋半ばを指す様だがな、我が家の場合10月から2月と

期間が長く中でもとりわけこだわっているのは

年越しキャンプ。

全ての道具を持ち出し使い切り

一年の締めくくりと

スタートを最も豪華なキャンプで過ごす。







いつからそうなったのか定かではないが

今年も残すところわずか数ヶ月

時代は令和に変わりはじめての年越しの計画は

このキャンプからがスタートである。


このところ、近場も多いが

一泊キャンプの航続距離をもっと伸ばしたい

そんな共通の目論見もある夫婦二人







あそこに行きたいここに行きたい

○○県も攻略してみよう…

尽きることのないキャンプ話に花咲く楽しい夜だった。

そりゃぁそうだキャンプ好きが二人そこにいれば

一晩中だって語り合えるものだから


それがキャンプ


未だに毎回 楽しいったらありゃしない


それがキャンプ




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