夜の帳（とばり）に包まれる時間帯







キャンプ最高の時間帯の過ごし方は

人それぞれだが

焚火の鎮火を待ちながらモルトを転がす冬キャンプ

ただそれだけのひと時が夢のようで







妻にはいつも

「何ニヤニヤしてんの？笑」

…と茶化される。







無意識に笑顔になっている自分に

気付かされワザと厳しい表情を作ってはみたが

数分後にはやっぱり表情はニヤついていた。

静けさの中、遠くに楽しそうな談笑が

時折聴こえてくる。

こんなキャンプ場の夕刻の雰囲気が最高だ。







50歳手前のオッサンを捕まえて

「◯◯君、キャンプたのしーーのぉ」

子供扱いする様に茶化す妻の顔もニヤついている。







妻がニヤつくその理由は明確で

焚火じまいをした後、この夜のご馳走は

すき焼きだったから。







肉を軽く炒め、春菊をドッサリ入れたら完成

そりゃぁもう美味すぎた。

すき焼きが大好物の妻のニヤつきは

食後就寝まで絶えることはなかった。







一回の出撃で高級モルトは二杯迄

この決め事はこのキャンプでは守られず

四つか五つ頂いてしまった…。

だって美味いんだもの







高級品が減って行くという物理的な勿体なさよりも

この時間の価値が下がる事の方が勿体ないという事。

キャンプのひと時は時間の価値や質といった

若い頃には考え及ばなかったものを

概念的に教えてくれているように感じるわけで

年に数回、会話をするわけでもなく

夫婦二人ニヤニヤしっぱなしのキャンプになったりする。







これだからキャンプはやめられない





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