本来であれば、岩洞湖撤収後はそのまま帰宅し

自宅の風呂にでも浸かって旅の疲れを

癒したりする夜となる筈だった連休最終日







妻がいつもの病気『帰りたくないシンドローム』

に冒され場所を変えてこの旅最後の幕営となった。

日照時間への期待を完全に裏切られた2017年8月の岩手

この日の天候も曇り時々雨

雨キャンプで最も美しい景色を考えた時

思いついたのはブナの森一択だった。







2年ぶりとなる『真湯野営場』である。

到着し下車するやいなや雨の中、蚊にまとわりつかれた。

「早くエンジン切らないと」妻が蚊を振り払いながら言った。

この手の森でアイドリングは禁物というより厳禁である。

蚊や虻などの吸血昆虫は排気ガスの二酸化炭素を嗅ぎつけ大量に寄ってくる。

アイドリングしたまま車内にいたりするとどんどん

それらが増え、挙句、車から出られなくなる事もある。

雨の真湯野営場の洗礼を受けた気分だが

それでも決して不快ではない。

大好きなブナの森で旅の疲れは癒せる筈だ。







直接ペグ打ちのできないデッキ設営

フライはガイロープを使用して地面にペグ打ちした。

サイト奥のトイレ棟も2年前と変わらぬ佇まいだが

内容は大きく変わり、清掃のレベルが段違い

もともとトイレ室内に虫がいるような事は少なかったが

今回このトイレには内外に渡り虫一匹いなかった。







それに気付いてからというもの

そう言われるとサイトも全体的な印象が違って見えた。

ちょいちょい手が加えられた痕跡が見えるのだ。







2年前に幕営した時を復習して見ると







ビッシリとサイトに生えていた草がキレイに刈られており

積み重なった腐葉土でふかふかの絨毯のようだったグラウンドは

固い地面取り戻している。

当時、木材が腐り撤去され放置状態だったデッキサイトは







修理が施され新しいデッキとなっていた。







こんな感じでワイルドだとかそういうのを超越していた

管理棟前付近は







ビシっとキレイに管理され元々の姿に戻ったようだ。







管理人が変わった効果は大きいということなのだが







超絶にワイルドだったあの日のこの場所に

フランス幕を張り悦に浸るなんて事は

もうできなくなったということでもあり

少々複雑な気分。

無論、管理されたこの状態は歓迎すべきことである。







近所の温泉へと行きサイトに戻った時には真っ暗になっていた。







前室には虫除けのろうそくを置き

幕の中で過ごす夕べ

オルニートスブラックラベルはソーダ割で楽しんで見たら

超絶美味い新感覚ハイボールに、是非お試しを。







かくして二年ぶりとなる我が家の大型連休は

静かな雨音と共に幕引きとなった。

素晴らしい景色に身を置き完全燃焼の後のくすぶりを

雨の真湯野営場で鎮め完全鎮火

今年の一番を次々に更新してゆくキャンプ旅となった。




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