からのつづき








日が沈む頃、妻に促されてランタンに火を入れた。

実はこの頃には、だいぶアルコールが回っていて無気力状態。

尻を叩かれないと寒空に出れないくらいにアルフェイムの中は暖かく

なかなか重い腰が上がらずにいたのだった。







外に出ると、肌を突き刺す様な冷気…と言っても

この時間で−５°Cくらい

防寒はしっかりしているため、寒さは全く感じないが、

暖房とアルコールですっかり機能不全に陥っていた頭は

一気に雲が晴れた様にクリアーになった。







バイアラジンに火が入ると、一気に辺りの闇が濃くなって行く。

作業時間にして５分程度、燃焼の安定後、追加ポンピングを行い

ランタンの光をしばし眺めながら一服し、束の間の酔い醒まし。







冬のランタン移動は注意が必要だ。

暖かい幕の中から氷点下の外に運び出したりすると温度差でホヤが割れる事がある。

逆に寒いところから暖かい所への移動は問題ない。

ん？逆だったかな？なんて冬キャンプの基本を頭の中で復習しつつ







記憶は曖昧となり、数々のご馳走が胃の中に消えていき夜は更けていった。

oriさんが崩れる様に寝に入るのを見届けてからCABANONに戻る。

アルフェイムの中は26°C外気温−6°C

この程度の温度差でランタンのホヤが割れる事はないということか。







幕に戻ると氷点下







アルパカですぐに暖まり、飲みすぎた私はほどなくして夢の中へ







雪景色の朝が訪れた。







爆睡していて全く気付かなかったが…

昨夜は結構な強風が吹き荒れていたらしい。

風に乗って粉雪が舞い







着雪のなかった木々もうっすらと雪化粧をほどこされていて

それはそれは美しく荘厳な高原となっていた。







愛車も真っ白なスプレーをかぶっていた。







東の空が明るく輝き出す。

全ての音という音を雪が吸収し、鳥のさえずりさえない、無音の世界。

無音…という事が価値の一つだと感じ

衣擦れの音すら立てたならばバチが当たる気分になった。







カキーンと冷えた空気をタップリと堪能するキャンプモーニング。







朝日がぼちぼち顔を出す。







このまま日の出を楽しみたい所だが…すっかり身体が冷え切った。

ここはあえて幕の中から朝日を愛でよう







新たな週の始まりはCABANONの窓越しに見る雪中朝日。

『これで今週も頑張れる』

我が家にとってこの非日常感は一週おきの日常だとしみじみ感じるいいキャンプになった。





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