最後の出撃から三週が経過し今週の出撃も泡と消えた。

ここ数年で初となるブランク四週目へと突入した。

新たな仕事をスタートさせ、怖いくらいに順風満帆の

忙し過ぎる日々が続き夫婦二人の野遊びの記憶も薄れかけている。

随分前の話となってしまう前に、最後の出撃を書き留めておこうと思った次第。







良く晴れた五月の陽気、最高のコンディション

人生でも三本の指に入るような忙しさを切り抜け

求めた安住の地はやっぱりここ

いつもの不動尊公園キャンプ場だった。







勝手知ったる我が家となったこのキャンプ場

管理人さんと情報交換をしながら設営完了となったのは

午後二時を回った時間帯。



夏のキャンプで悩まされる吸血昆虫はおらず

謎の虫達のお出迎え。







雲一つない空の下







紫外線たっぷりの陽気ではあるが

何やら懐かしさを感じたものだった。

何せ、太陽の光を燦々と浴びる時間なんて

GW以来だったから。







鮮烈な陽の光は、川面に反射し

橋の下（裏側）を明るく照らしていた。







ついひと月前、新緑だった木々達は

鬱蒼とした森へと姿を変えていることに驚き

今年もやって来る盛夏のプロローグのように感じたものだった。

この時期の虫達の来襲に万全を尽くす。

自分達へのインシュランスに抜かりはなかった。







光と陰、そのギャップが大きければ大きいほど

満足がある…そんな快晴の五月

私はロゴス製のラウンジチェアに腰を下ろし

カーミットチェアに足を投げ寛ぎの態勢をとってみる。







ここ一週間の激務に悲鳴をあげる身体を

全力で癒すキャンプタイム。

傍らのロールトップテーブルには

細やかな泡が輝いている贅沢この上ない時間







…としみじみ思う。







キャンプ部屋の奥にしまったクーラーボックスを

引っ張り出すのが面倒で

たまたま道具入れにしていたワイン箱に

妻はスーパーで手に入れた発砲スチロールを入れ

クーラー代わりにして持参した。







そのボックスから食材を取り出し焼き始めた。

このキャンプはBBQ三昧







我が家のBBQ心得の一つ

「野菜は絶対に切らないこと」

遠い昔に実践していた小さなコツは未だ健在。







口にするとピーマンはジュースとなりトマトはスープになる。







時間は無情にも瞬く間に過ぎて行くけれど







キャンプ最高の時間の始まりでもある。







冷めてしまった食材を焚火で炙りながら過ごした。







虫除けにと、サイトの外に置いたランタンだったが

この頃、気温は昆虫の活動限界となる15℃を下回っており

そもそもの意味を成していなかった。







気付けば西の空に月が輝いていた。







仕事は上々の立ち上がりを見せていたが

夫婦二人の未来はまだまだこれから

今二人ができることの整理をする。

キャンプで仕事の話に真剣になるなんて

息抜きにならない気もするけれど…







これをする事で得られる安心と希望が

今の二人には重要だった。







だってまだまだやってない事や出来る事

つまり夫婦二人の引き出しが沢山あることそのものが

未来だと気付かなければ楽しめるものも楽しめないということ。

人は元来ネガティブだからこそ太古の昔

大自然を生き延びたという話もあるが

今ポジティブでいることが重要だ。







上手くいっている時こそ油断ならないのは

これまで何度も経験済みだから

このキャンプのこの時間とプロセスが腑に落ちる。

型にはまらない人生を楽しむことの大事さを

ほんのちょっとでも知れたらいいなぁと思うのだった。







翌朝は晴れ

それがキャンプ





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